【今年はないけど】愛すべき夏フェスの話をしよう【集まれ邦ロ勢】

コロナの流行で、ほとんどのフェスが中止になった今年の夏。文章なんかじゃ、夏フェスの代わりになんて到底ならないけども、邦ロ勢で「やっぱりフェスっていいよね」と語り合いたくて、この文章を書くことにしました。良ければお付き合いください。

もくじ

1.夏フェスとの出会い
2.夏フェスのいいところ
3.夏フェスの思い出ベスト3
4.来年こそは

□1.夏フェスとの出会い

あなたの夏フェスとの出会いはどんな出会いでしたか?

中高生の頃から憧れていて、バイトができるようになってやっと行けた人もいれば、興味はなかったけど友達に誘われて行った人、入場無料のフェスに行ってみた人、好きなバンドが出ていて行った人、それぞれのいろいろな出会い方があると思います。行ったことのない人もいるかもしれませんね。そんな方はぜひこの文章を読んで、憧れる気持ちをもっと増やして、わくわくしてください。

この章では、筆者と夏フェスの出会いを綴りたいと思います。とばしてもらってももちろんOKですが、自分の思い出と重ねて、懐かしく愛おしい気持ちになってもらえればいいなという思いで書いていきますので、良かったら読んでみてください。

筆者と夏フェスの出会い

フェスに行ったきっかけ
筆者が初めて参加したフェスは「METROCK2016」です。邦ロックは詳しくなかったけど星野源がどうしても見たくて、参戦しました。当時は星野源ファンとしてツイッターをやっていたので、星野源ファンのフォロワーさんと一緒に行ったのを覚えています。当日は星野源のフードタオルをかぶった人がめちゃくちゃグループで固まっていて、邦ロ勢からしたら鬱陶しかったかもしれないな、と今となっては思います。フェスにアイドルが出演したら、そのファンが固まってて、「フェスはロックの聖地なんだよ、場違いだ」と思うときあると思うんですよ、でも、違う界隈から邦ロックにハマっていく人たちがそのなかから確実に出てくるので、そこはあたたかい目で見て欲しいなと思います。かく言う筆者も、このフェスでシンガーソングライター好きから邦ロック好きに変化していきました。
初めてフェスに行った感想
初めてフェスに参加して何よりも驚いたのが、お客さんたちの自由な動きでした。J-POPのライブだと、手拍子ぐらいしかないと思うんですよ。フェス来たらみんなめっちゃ踊ってるし暴れてるし、こんなに人間の元気な姿を一気に見たのは初めてだったかもしれません。小さなステージに行くと、「ここじゃ足りねえってことを見せつけてやれ!」みたいなかんじで煽りまくって、竜巻みたいになってて「こわ…何この世界…」と思いましたが、今となってはそういうバンドが一番好きです。(笑)
一緒に行った星野源ファンは、源さんが見れればいいというかんじで、星野源の後に帰っていったのですが、私はもったいない気がして、最後までいました。この日のトリが[Alexandros]で、フェス初参加にして最後に一人になってしまったので、ビビりながら後ろから座って見ました。ファンじゃなかったけど、そのステージがすごく印象に残っていて、バンドってかっこいいなと思いました

□2.夏フェスのいいところ

季節感
フェスは一年中ありますが、季節感の観点からみて夏フェスは特別です。青い空と緑の芝生のなかで音楽に浸れること、暑い日差しの下で前後左右にいる人全員が汗だくのあの密接した空間。おまけにライブとライブの間には転換で30分ほどの待ち時間があるのが普通ですが、前で見るにはその間も密接状態のまま待たなくてはなりません。音のないこの苦痛な時間を乗り越えてライブが始まるときの、「やっとだ!!!」という謎の連帯感も好きです。熱中症予防で水分をとりまくるので、ごみ箱エリアとドリンクコーナーを何度も行き来するのも夏フェス。あとは、海の近くで開催される夏フェスも多く、暑すぎる日差しのなか、たまに吹く海風に救われたり、休憩がてら足だけ海に浸かりに行ったり。夏らしいことを全部できるのが夏フェスだなと思います。その年いちばん暑かった日も、その年いちばん日焼けした日も、その年はじめて海に行った日も、その年はじめてかき氷を食べた日も、思い返せばぜんぶが夏フェスになっています。そして夏の終わりに、キラキラした夏フェスの思い出が心に溢れて、「最高の夏だったな」と振り返る。フェス好きにとっての夏はどうしようもなく夏フェスです。
地域性
フェスは大規模なものほど地方で開催される傾向があります。ロッキンは茨城県だし、ラブシャは山梨県、ワイバンは山口県。地元の方には申し訳ないですが、フェスがなければなかなか行かない場所です。こういうフェスに行くのが本当に楽しい。夜行バスや新幹線で向かう、あのワクワク感がたまりません。旅行も兼ねているようなかんじになります。早朝に夜行バスを降りて来たことのない土地の空気を吸って、「フェスに来た!」と実感するあの瞬間が好きです。海や湖、山などその土地の自然を味わえるだけでなく、会場内の屋台ではご当地グルメが準備されていることも多く、地域性が生み出す特別感があります。都市型フェスも大好きですが、夏には連休を利用して、一度はめちゃくちゃ遠い地方のフェスに行きたくなります。
人がいっぱいいる
当たり前だと思うかもしれませんが、これは当たり前ではありません。コロナでほとんどのフェスが中止になって、かろうじて開催された大阪城ホールでのライブ(過去記事にレポートあり)に行ったとき、人がいっぱいいる光景に泣きそうになりました。それぞれの好きなバンドのTシャツを着て、人がいっぱいいて、その光景がすごくカラフルで、フェスってこうだったなと思いました。フェスには、アーティストに元気をもらいに行っていますが、実は来場者にもめちゃくちゃ元気をもらっています。学生も大人も馬鹿みたいにはしゃいでいて、それを見るのが筆者はたまらなく好きです。自分と同じバンドのTシャツを着ている人を見て嬉しくなったり、その場にいた知らない人たちとサークルをつくったり、靴紐を結ぶあいだ押しつぶされないように近くの人に守ってもらったり、隣の人と肩を組んだり、落ちているペットボトルを拾っていたら同じ行動をしている人と目が合って心の中で親指を立てたり、そういう思い出が、いっぱいあります。好きなものが同じ人たちが集まる空間が幸せです
手作り感
運営陣の努力が見えるのもフェスのいいところだと思います。すぐ見て分かる範囲で言うと、ダイバーを受けとめる柵のところにいるスタッフさん、ごみ箱エリアにいるスタッフさん、飲食ブースのスタッフさん。ライブの音に合わせてステップ踏みながらごみを捨てに来た来場者に対して、同じようにノりながらごみ袋を差し出していたスタッフさんがすごく印象に残っていて、スタッフさんも音楽好きが多いんだなと思いました。その光景があまりにハッピーで、まるで夢の国みたいでした。飲食ブースの店員さんたちも、「どこから来たん?遠っ!」とか、「楽しんでね~」とか、言ってくれる店員さんもいて、楽しい一日を彩ってくれて、感謝でしかありません。見えにくいところで言うと、私がめちゃくちゃ好きな話があって。JAPANJAMというフェスはもともと芝生じゃなくて土の地面だったけど、砂埃がすごくて大変だったらしく、芝生を生やすところから対策をしたらしいです。私が行ったときには綺麗な芝生が生えていて、砂埃もなく、快適でした。この地面すら運営陣の努力なのかと驚いた記憶があります。たくさんの大人が人が楽しむために努力をしているという事実自体に元気をもらえます。その努力の結晶がフェスのたった数日です。これはもう楽しむしかない。
歴史性
実はそれぞれのフェスには歴史があります。第1回、第2回…と全てがそのフェスの歴史で運営陣はもちろんだと思いますが、来場者にとっても歴史になっていきます。好きなアーティストが出ているフェスに行っていると感じにくいかもしれませんが、アーティストではなく、そのフェス自体のファンというのもいます。そのフェスが好きすぎて、誰が出てようが毎年行くと決めているパターンのファン。そういう参加の仕方をすると、第〇回はこうだったとか、そのフェスの歴史がファンの中にも積み重なっていきます。特に泣けるのが、荒天でよく中止になるフェスです。イナズマロックフェスが有名だと思いますが、その名のとおり、よく荒天に見舞われます。2016年、2017年と連続で荒天になり、途中中止や2日目の中止となりました。私は2018年に初参加したので、そのあたりの事情をあまり分かっていなかったのですが、主催者はじめ出演者たちが抱き合って泣いていて、ファンも泣いていて、「やっと開催できた」という感動に包まれていました。フェスは好きなアーティストをただ見れる機会なのではなく、歴史があり、それぞれのフェスに対する愛があるから特別なのだと思います。
出演者の多さ
フェスの一番の特徴は出演者の多さです。いろんなバンドが一日中、各ステージに出続けているので、バンド好きからすると、超豪華なバイキングみたいな気持ちになります。好きなバンドが多すぎて、時間帯がかぶってしまって見れないとか、どうしても両方見たいから前半と後半でステージを移動して半分ずつ見たりとか、そういうことがよくあります。好きなバンドを一日にたくさん見れて、出演者同士のコラボもあったりとかして、まさに音楽のお祭りです。逆に、お目当てのバンドが特にない時間帯もあったりして、そういうときは良さそうだなと思うバンドをとりあえず見に行きます。するととんでもなく良かったりして、新しいバンドを知る機会になります。特に友達の付き添いで来た場合や、一人の出演者だけを目的に来た場合はそもそも好きなバンドがあまりないので、ほとんどが初めて見るバンドだったりして、それもまた楽しいと思います。邦ロック沼に引きずり込むなら、やっぱりフェスが手っ取り早い!(笑)
一人でもいい
これは正直、個人差があると思いますが、バンド好きを極めると、最終的には一人参戦に辿り着くような気がしています。見たいバンドが多すぎてどれを見るかを絞るだけでも大変なのに、同行者の好みも考慮すると、渋滞してしまいます。一人で行って、好きな時間に好きなステージに好きなように動けるのが一番良いかなと私は思います。私は、就職で地元を離れて、友達のいない状態だったのに、社会人1年目の夏がめちゃくちゃ楽しかったのは、夏フェスがあったからだし、それが一人でも楽しめるものだったからだと思います。人目が気になるという人がいるかもしれませんが、友達と一緒に行ったって、結局は別のステージにバラバラに見に行ったり、ごはん買いに行く係とかって分担して別行動をとったりするので、会場で一人でいることは全く不思議なことではありません。ライブが始まったらもみくちゃになってどうせはぐれるし。案外だれも気にしていないというのが私の持論なので、踏みとどまっている人がいたらやってみて欲しいなと思います。フェスは一人でも楽しいです。

□3.夏フェスの思い出ベスト3

第3位

まだあまりフェス慣れしていなかった頃の話なのですが、トリの最後の曲でダイバーの足が鼻にあたって、鼻血がでたことがあります。夏フェスの風物詩である花火が最後にあがって、そのときに鼻血の予感を察知し、花火を見上げるふりをして上を向き、吸い続けて、鼻血だと周囲にばれることなく止血しました。(笑)それから、フェスの最後の花火をみるといつも思い出すので、逆に思い出になってるかなと思います。(笑)痛い思いもしているけど、ダイバーのいる光景はわりと好きなので、それ以降は後ろからくる気配がしたら絶対下を向いて顔面を守るようにするというかたちで自己防衛しています。

第2位

2019年のマグロックという静岡のフェスです。時期的には秋なのですが。DJダイノジが主催するフェスなので、DJ好きな人たちが多く、お祭り騒ぎが上手で、サークルが多発するフェスです。でも、危なくなくて、平和に暴れるかんじなので、大人の運動会みたいなフェスだなと思っています。2019年特におもしろかったのが、ヤバイTシャツ屋さんで、サークルだらけでめちゃくちゃおもしろかったのですが、ハッピーウェディング前ソングが忘れられない。この曲には、「キッス!キッス!」という煽りがあります。サークルをつくってみんなで煽って、サビで真ん中に向かって走って追突するみたいな流れがあるのですが、サークルを仕切っていた男の子2人が対角線上にいて、サビの始まりでキスをしたのを皮切りに、周りが「フゥ~~~~!!!!」と言いながら真ん中に向かって走るっていう出来事が起こって。ノリの意味が分からなさすぎて、めっちゃ笑いました。2人の間柄は知らないけれど、仮に付き合ってたとしても、人前でキスするのは頭のねじがとんでいるし、友達同士なんだったらそれこそ意味わからんし、どっちにしても偏差値下がりすぎてて本当におもしろかったです。ヤバTのライブは偏差値が20ぐらい下がると有名ですが、それを目の当たりにした気がして、最高でした。あの2人元気かな。(笑)

第1位

これは本当に語り継ぎたいのですが、2018年のTREASURE05Xという愛知のフェスです。会場が海辺なのですが、この日に起こったのは、満潮によって海が広がり、ステージの前まで水浸しになったことです。(笑)どういうこと?って思うじゃないですか、ステージがあって、その目の前が海になってしまったと、そういう状況です。満潮の時間帯に出演だったのがFear,and Loating in Lasvegasでした。海が広がってきたときには、陸に避難するみたいな流れもあったのですが、広がりすぎて陸がぜんぶ海になってからは、逆にどうでもよくなってきて、みんな海の上で踊っていました。(笑)その光景にファンも、ベガス本人たちも笑えてきて、馬鹿騒ぎした覚えがあります。海の上で頭ふってるわ、海水かけあってるわでめちゃくちゃでした。次の出演者はBIGMAMAで、さすがにもう一つある陸のステージに変更となったのですが、ベガスのときに変更せずにそのまま強行突破したことがすごく思い出に残っています。あの音楽性だから楽しめたのもあるなと思います。運が良いのか悪いのかよくわかりませんが、満潮を味わってみたい方はこのフェスがおすすめです。さすがにもう対策されているかな、、、(笑)一応アンケートにはおもしろかったのでこのままでいいですと書いておいたのですが。(笑)

□4.来年こそは

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。夏フェスのないこんな夏ですが、少しでも、懐かしい気持ちとか、楽しい気持ちをこの文章で思い出してもらえたら嬉しいです。今年は、それぞれの心の中にある今までの思い出で乗り越えて、来年に期待しましょう。荒天などで中止になったフェスは、次の年に開催できたとき、それまで以上の感動を呼びます。きっとコロナによって中止になったフェスも、来年に開催できたときには、めちゃくちゃ泣けると思います。気持ちを強くもって、来年のフェス会場で会いましょう!

〇音楽好き同士良かったらつながりましょう♪

Twitter☞ @pony_enseinote
Instagram☞ pony_enseinote