【ボイガル日記】いろんな意味で札幌から帰れなくなった話

THE BOYS&GIRLS(通称ボイガル)のツアーファイナルを見るために札幌遠征した、2024年1月13日~17日の5日間の記録。大雪に翻弄されるもポジティブなファンの日記。

《1日目》2024年1月13日土曜日

2023年9月からまわってきた全国ツアー“FALL TIME BEST”のファイナル公演が、2024年1月14日に札幌PENNY LANE24で開催される。雪による欠航が心配だったので、ライブ前日の13日から飛行機で向かった。新千歳空港で、北海道の友人と合流。「明日からいるの?!私も行こうかな!」と昨晩、連絡をくれたのだ。

彼女と向かったのは、幌平橋近くの河川敷。ボイガルの東京という曲のMVには、雪の積もったこの場所でシンゴさんが歌うシーンがある。真冬の札幌に来たからには、このMVを再現したかった。

道路は除雪されているが、河川敷は雪が積もったままになっているため、ズボズボと雪に足を突っ込みながら歩いた。雪が積もりすぎて、股のところまで雪に埋もりながら進んでいたから、歩いているというか、もはや雪に座っているレベルだった。普段はまずお目にかかれない雪の量である。
うおおおおおおおおおおおお
しばらく河川敷で遊んだが、急に吹雪いてきたので、ひとまずコインランドリーに避難。これからどこに行こうかと作戦会議をしていたのだが、気づけば話題は音楽の話に変わり、彼女が、ふと、「詩、書かないの?」と聞いてきた。

詩は、書き溜めている。誰に見せるでもなく、スマホのメモにこっそりと、少しずつ。ほとんどは自分の内面を表現した詩だが、ひとつだけ、ボイガルのことだけを考えて書いたような詩があったから、それを彼女に見せた。ボイガルを彷彿とさせるワードをふんだんに使っているから、ファンの方が読んだらニヤニヤできると思う。

案の定、彼女は「めっちゃボイガルじゃん!」とニヤニヤしながら読んでくれた。そして、「これ、曲にしたい!」とまさかの宣言。「歌詞として書いてないから、メロディ上手くはまらないと思うよ…?」と困惑しながら返答したが、彼女は既にノリノリだった。

何パターンか歌って、「どっちがいい?」と聞いてきたり、「どんなイメージなの?」と聞いてきたりした。「ええっと、落ち着いた喫茶店で書いてる詩だから、落ち着いたかんじかな…?でも心ははしゃいでるから、暗い感じは違うかも」と、聞かれるがまま答えていくうちに、自分の言葉にどんどんメロディがくっついていった。

楽しくなってきて、「ここはボイガルのことを表現してるから、ヒーロー登場!みたいなかんじが良い!!!」と主張し、2人で「めっちゃボイガルじゃん!」と言いながら大盛り上がりで作った。

なんとなく、音楽は一人で追い詰められながら作られているものだと思っていたから、こんなにも楽しい過程で生まれることもあるのだなと、新しい発見だった。思っていたよりもずっと、音楽は楽しいものなのかもしれない。

「良い曲できたね~!」と2人でひとしきり笑った後、「世に出しちゃうかも!」と言いながら彼女は帰っていった。

その日の晩にまじで世に出ていた↓

 

《2日目》2024年1月14日日曜日

朝食を済ませ、次の宿へチェックイン。今日はいよいよボイガルのツアーファイナルだ。会場に着き、コインロッカーにコートを入れるため、PENNY LANE24の2階へ入ると、すぐに1人の友人と目が合った。彼も筆者と同じく道外から遠征してきている。少し話しただけで、ホッとした。

その後、1人の女性が声をかけてくれた。ライブで会うと話しかけてくれる、笑顔の素敵な人。昨日コインランドリーで作った曲をXで見かけて聴いてくれたようで、「“駅まで迎えに来てくれるって”のところでグッときちゃった」と伝えてくれた。ボイガルらしさ全開の詩の中で、その部分は筆者の個人的な描写だったから、嬉しかった。

筆者は、音楽で動いた感情を言葉で表現したい。

でも、音楽に精通しているわけではないので、ライターは名乗れても、音楽ライターは名乗れない。壁がある。だからこそ、自分の言葉が“音に乗って”、誰かの心に届いたことが嬉しかった。
札幌のライブハウス、PENNY LANE24
ボイガルのライブは、最高だった。一曲一曲が大切で、心も頭もボイガルでいっぱいになって、身体中がボイガルで、はちきれんばかりの幸福感だった。終演後は、一人で駅まで走った。ものすごく雪が降っていた。琴似駅からすすきの駅まで電車で戻り、すすきの駅から宿へは歩いて帰った。

帰り道、なんて幸せなんだろうと、歩きながら空を見上げた。そうしたら、雪がたくさん顔に降ってきて、5秒くらい上を向いただけなのに、顔面がびしょ濡れになった。身体中がボイガルでいっぱいで、苦しいくらいにいっぱいだったから、空を見上げたのに、この街は空にさえ感情を逃がさせてはくれないのかと思って、笑ってしまった。

もういいや、逃がせなくて。苦しいくらいにボイガルでいっぱいで、ぎっちぎちの心のまま、全部持って帰ることにした。
あの時ラララで口ずさんだメロディーを

《3日目》2024年1月15日月曜日

15日は、平日なので9時から17時まで宿でリモートワークをし、退勤後すぐに空港に向かって飛行機に乗るという計画。せっかくの札幌だが、自由に外出できるのは昼休憩の1時間だけだ。

札幌に着いて1日目、友人と河川敷で遊んだときに、すすきののパン屋さんで買った塩メロンパンを食べたのだが、それが泣きそうになるほど美味しかった。昼ごはんはあのパンにしようと思い立ち、昼休憩はパン屋さんに行った。
DONGURI@ココノススキノ店のパン
その後、17時まで働き、退勤。荷物をまとめて空港へ向かった。が、空港で欠航のアナウンスが響き、搭乗口の前で待っていた人たちがどよめいた。大雪警報まで出ているらしい。

まじか~!とは思いつつ、筆者の頬はニヤニヤと緩んだ。だって、まだ、札幌にいられる。嬉しいと思ってしまった。ルンルンで快速エアポートに乗り、すすきのへ帰還。17時までいた宿にそのまま泊まることにした。

仕事用のパソコンを持って来ておいて良かった。明日もリモートワークをすれば良い。昼休憩は何をしようかとワクワクしながら眠りについた。

《4日目》2024年1月16日火曜日

昼休憩は中島公園を通って幌平橋まで歩いた。札幌の雪景色の中でボイガルの楽曲を聴きながら散歩をするのは、なんて楽しいんだろう。やっぱり東京で聴くよりも、しっくりくるな~と思った。

雪の降らない地域では、初雪もないし、歩くだけでサクサクと音がすることもないし、溶けてぐじょぐじょになった雪も、結晶の形のまま積もった雪も、凍ってツルツルになった道路も、かたまりみたいにドサドサと降ってくる雪も、お店の看板に積もった雪、店名のアルファベットひとつひとつが雪をかぶっているあの可愛い景色も、何もないのだ。雪解けとかいう概念もない。

雪で横断歩道のしましまが見えないから、どこから渡るんだろうってなったりとか、歩行者用信号のボタンを押したいのに、雪が積もりすぎていてそこまで届かなかったり、歩道の両脇が雪の壁で、2人分のスペースがないから、向こうから人が歩いてきたら止まらないと通れなかったり、止まっただけで「ありがとうね」って言われたり。

ワイヤレスイヤホンが耳から落ちそうになった瞬間に、これ雪のところに落としたら絶対見つからないじゃん!って思ってめちゃくちゃ焦ったり、温かいミルクティーを買って飲みながら歩いていたのに、すぐ冷めて甘すぎて要らないかもってなったり、ぜんぶ、ぜんぶだ。

何もかもが愛おしくて、札幌だなってなるし、こういう細かな出来事や景色ひとつひとつと、イヤホンから流れてくるボイガルの音楽が、なんだか異常にしっくりくる。どの部分がというのを説明するのは、感覚的な話すぎて難しいのだが、とにかく、ぴったりなのだ。すごいことだと思う。
中島公園と幌平橋の間の交差点
昼休憩が終わった後は、仕事をして、17時に退勤。空港に向かう前に、念のため運行状況を確認したら、欠航だった。大雪警報の日だったから、あり得るとは思っていたのだが、本当に2日連続欠航となると笑ってしまった。ちょっと待って?札幌から帰る難易度、高すぎない?(笑)

慣れた手つきで明日の便に変更し、フロントに電話して一泊追加した。明日は晴れの予報だから、さすがに帰れるだろう。

《5日目》2024年1月17日水曜日

昼休憩は塩メロンパンをもう一度買いに行った。夫に欠航したことを連絡したとき、「家事してください…」とちょっと不満そうだったのだ。お詫びの品を買って帰らねばならない。塩メロンパンは完全に筆者の押しつけなので、夫の好きそうなアップルパイも買っておいた。

それから、今日は札幌を発つことになるだろうから、最後にテレビ塔にも行こうと思った。テレビ塔に別れのグータッチをしようと思ったが、バリケードが施されていて、触れられはしなかった。でも、間近で挨拶できたので満足した。
また来るぜ、札幌!
17時に退勤し、空港へ。急ぎすぎて、すすきのの横断歩道で滑った。派手に転びすぎて、周りの人たちに「あ~~~!」と声をあげられた。恥ずかしすぎる(笑)パソコンの入ったカバンも滑っていったが、見知らぬ女性がすぐに拾って渡してくれた。や、優しい…ちなみに怪我はしていない。札幌にいる間に転び方も上手くなったようだ。

空港に着き、搭乗手続きを済ませたとき、無性に寂しくなった。さすがに5日間も滞在したから、もう十分だという気持ち半分、ずっといたいと思う気持ち半分。でも、ライブの余韻が残るまま、札幌で過ごせたのは良かった。

最後の3日間は仕事をしているだけだったが、窓の外を見れば雪が降っている、もうそれだけで幸せだった。ボイガルを聴きながら札幌を歩き回った昼休憩も、楽しかった。

飛行機は無事に飛び、成田空港から自宅までの電車内で、ボイガルのツアーファイナルの曲順を再現したプレイリストを聴いた。『ただの一日』と『今日のうた』が特に胸に刺さった。こんなにも特別な数日間の終わりに、この日常的な2曲が刺さってしまう。これが筆者にとってのボイガルだ。

翌朝、仕事に向かう夫に、寝ぼけながら、塩メロンパンとアップルパイが置いてあるから食べていいよと伝えた。おすすめは塩メロンパンだとも伝えた。二度寝して、自分の仕事の時間に起きてきたら、アップルパイだけがなくなっていた。筆者のおすすめは無視されたようだ。なんで?(笑)
3日間滞在したホテル、第2の故郷化

まとめ

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。2日連続欠航したわりには、やけにポジティブな日記になりました。その理由には、ボイガルがいます。ボイガルを好きになってから、面倒なことや嫌なことが起こっても、これも自分が生きている物語の一部なのだと思えるようになりました。

今回で言えば、(欠航か~。でも、これも自分だけの札幌遠征のストーリーの一部か。延びた滞在期間で、新しい発見も生まれるかもしれない。今すぐではなくても、この思い出が何かに活かされたりして、またストーリーとして脈々と繋がっていくのだろう。だから、これでいいや!)って。

ボイガルの音楽には、そういうマインドが流れていると個人的に感じています。

『ロックンロール』の「何周目の春夏秋冬だろう その数だけ好きになれて その数だけ苦しくなった そのすべてに意味があったんだ」とか、『今日のうた』の「すべてが今日の歌になる」とか。

おかげさまで随分と生きやすくなったし、ボイガルは筆者にとって人生の教科書だなと思います。なんか、まじで、好きだな~。欠航っていうか、心を持ってかれて、まだ帰れてないかも。
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