CRYAMYを解明したい記事②~最近の変化~

CRYAMYというバンドの魅力を解明したい連載の第二弾です。今回のテーマは、CRYAMYの最近の変化について。変化をなんとなく感じているファンの方がいらっしゃいましたら、ぜひ。

もくじ

1.はじめに
2.CRYAMYの音楽の特性
3.表現に伴う痛み
4.CRYAMYの変化
5.まとめ

□1.はじめに

筆者は文章を書くのが好きなただのファンですので、気軽に読んでいただけると嬉しいです。最近、CRYAMYのライブがとても良くなっていると感じる一方で、その変化に焦っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

筆者は、ここ一年でCRYAMYを知ったので、コロナ禍になる前のライブを見たことがないのですがYouTubeのライブダイジェスト動画や、カワノさんがInstagramで記録している日記の文章、MCで語られる言葉などから察するに、今までのCRYAMYはかなり滅茶苦茶であったり、ヤケクソなライブをしてきたバンドだったと察することができます。

今、建国物語というツアーを開催中で、筆者は現時点で6公演参加しましたが、このツアーではライブの激しさは狂おしいほどに健在している一方、丁寧に聴き手に伝えてくれるような印象もあります。

今までのライブが、優しさを半ばヤケクソになりながら、ちぎってがむしゃらに投げつけてくるような感覚だとしたら、今のライブは、優しさを手渡してくれるような感覚があります。

この変化は、主にカワノさんの変化によるものだと思いますが、どんな変化が起こっているのかを今回は深堀りしてみたいと思います。ちなみに、この記事は昔のCRYAMYも、今のCRYAMYも肯定する文章ですので、安心して読み進めていただければ幸いです。

□2.CRYAMYの音楽の特性

CRYAMYの音楽のどういうところが好き?という質問をファンに投げかけたときに、多く返ってくるであろう回答の一つとして、「歌詞が好き」という意見があると思います。カワノさんが書く歌詞って本当に良いですよね。メロディもノイズがかった音も、もちろん大好きですが、CRYAMYの音楽を語るときに欠かせないのはやっぱり歌詞だと思います。

カワノさんという人をもっと知ろうと思ったら、歌詞の意味を理解する必要があるのかなと思い、最近歌詞を解釈することに凝っています。「鼻で笑うぜ」の歌詞から、この曲はこういう話なんじゃないかみたいな文章を書いたのですが、狭い世界で愛するべき内容だと判断したので、これは公開するつもりはありません。SNSのDM等で言っていただければ個人的に送りますので、読んでくださる方は筆者までお伝えください。

「鼻で笑うぜ」の歌詞を解釈した結果、これはリアルな経験からくる歌詞なのではないかという結論に至りました。CRYAMYの代表曲のような存在である、テリトリアルやディスタンスも、彼の嫌な思い出や暗い過去から生み出された歌詞のように思います。もはやほとんどの曲がそういう作られ方をしているのではないかと思います。

ここから一歩踏み込んだ話をしたいのですが、自分の経験から歌詞を書くのは、かなりきついことだと思います。例えば、失恋した人の気持ちなど、だれか他人の気持ちになりきって歌詞を書くという方法もあると思うのですが、その場合は、何か指摘されたとしても、「これはフィクションであって、自分の話ではないですよ」と逃げることができるので、傷つきにくいように思います。でも、自分の経験から歌詞を書いた場合は、指摘や感想は自分にすべて突き刺さってくることになるのではないでしょうか。自分を開示することに伴う、恥ずかしさや知られたくなさ、恐さも背負うことになるかもしれません。表現する過去が暗ければ暗いほどこの苦しさは激しさを増すと思います。

カワノさんの書く歌詞は、人の心を救えるほどの強さをもった言葉だと思いますが、彼を襲う恥ずかしさや知られたくなさ、恐さは相当の重さになっているのではないでしょうか。

□3.表現に伴う痛み

第一章で書いたとおり、CRYAMYの歌詞は、カワノさんの痛みから生まれていて、表現する際には、かなり重めの恥ずかしさや知られたくなさ、恐さを背負うことになっていると思います。

コロナ禍の前のライブを見たことがないので、これは本当に推測でしかないのですが、昔の滅茶苦茶な、ヤケクソなライブは、そういうものを背負いきるような精神力をカワノさん自身がまだもっていなかったにも関わらず、歌詞にして曲にしてしまうもんだから、もうヤケクソに投げつけるしかなかったんじゃないかなと思います。

自分を大事にする方法もちゃんと分かっていなくて、イメージで言うと、カワノさんがアンパンマンだとしたら、人に優しさを手渡したいのに上手くできなくて、もう最終手段で自分のあんぱんの顔をちぎって相手に叫びながら投げつけるみたいなかんじ。それを受け取った人は、そのある種のグロテスクさにびっくりするんだけど、そのあんぱんの欠片から感じる痛みと優しさがとてつもなくて、それが分かった瞬間に大好きになってしまうみたいな、そういうイメージです。

…アンパンマンの話は別にいらなかったですかね(笑)

とにかく、歌詞の元となる過去が暗いほど、背負うものは重くなるので、かなりの精神力がないと自分を苦しめることになると思うし、その精神力がまだ育っていないときから、表現してくれていたと考えると、恐るべき表現欲だなと思います。

□4.CRYAMYの変化

この記事の冒頭でもお伝えしましたが、今まわっている建国物語ツアーでは、優しさをヤケクソにちぎって投げつけるのではなく、優しさを丁寧に手渡してくれるような感覚があります。CRYAMYに、もっと言えばカワノさんに変化が起こっていると思います。

結論から言うと、背負いきれなかったものが、背負いきれるようになってきたんじゃないかなと思います。繊細さやある種の弱さは、彼の性格として、生きている限り、そのまま在り続けると思いますが、過去をそのまま歌詞にすることによって背負わなければならないものを、背負いきれるような精神力がついてきているような気がします。だから、地に足をつけて、丁寧に言葉にすることができるし、聴き手に伝わりやすいMCになってきていると思います。より心を打つライブになってきていると思います。

壊れてしまいそうなくらい不安定なあのライブが良かったんだと、ヤケクソに投げつけてくる優しさの欠片が良かったんだと、ああいうカワノが好きだったんだという人もいると思います。そういう人にとっては、今のライブを見ることは、焦りを生むかもしれません。

その気持ちも想像できるのですが、これは悲しい変化じゃないということを筆者は主張したいです。ヤケクソにライブをしても、そのなかのわずかな優しさを見出して、良い音楽だと言ってくれる人。そういう人にしか届かなかった優しさを、もっと受け取りやすいかたちで、かつて届かなかった人にも届くようなライブができるようになってきていると思います。

自分の手から離れてしまうような寂しさには共感しますが、それよりも、暗い過去から生み出された音楽で、より多くの人を救っていく様が見れるようになってきたというヤバさに目を向けてほしいです。夏とか恋とかでポップな曲を書いて、人をちょっと元気づけるというのとはわけが違う。痛みを伴う歌詞で、人を救っていく、それが見れる。これからその景色がでかくなっていくのだとしたら。筆者はその景色が楽しみで仕方がないです。

ちなみに、カワノさんはファンや周囲の人から言葉をもらうことによって、ある程度の自信もついているだろうし、表現者として良い意味で強くなってきていると思いますが、聴き手に対する目は変わっていないと思います。優しさをヤケクソに投げつけるんじゃなくて、ちゃんと手渡せるようになったという方法の部分は変わっていっていると思いますが、優しさを渡したいとか、守りたいという目的は変わっていないというか。これまでCRYAMYを聴いてきた人には、そこを見逃さないでほしいと思います。

ファンの「CRYAMYにはこうあってほしい」みたいな気持ちに対して、カワノさんは非常に敏感な人だと思うので、本当に変わってほしくないところはずっと変わっていかないと思います。私たちがやるべきなのは、カワノさんが表現者として強くなっていく過程で、バンドに変化が起ころうとも、変わっていない部分を見逃さないことだと思います。

表面だけ見ていたら、変わっていない部分を見逃して「なんか変わっちゃったな~」という感覚になってしまうかもしれません。深く深く、バンドの真髄を見ようとすることが大切だと思います。なんとなく変わった、ではなく、何が変わって何が変わっていないのか、ここをちゃんと見た方がいいような気がします。

まとめ

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。聴き手に対して、こうするべき、みたいなのは本当に良くないと思うので、最後の方は熱くなって、見逃してほしくないみたいなことをつらつらと書きましたが、「は?」と思った方は、こんな文章は生ゴミにポイしてもらって構いません。こんな記事を書いた筆者が悪いので全部忘れてください(笑)

ただ、なんとなく変化を感じて、妙な焦りみたいなものを感じていた人が、この記事を読んで、落ち着いてくれたらいいなと思って書きました。ここまで分析した結果、これは焦らなくても良い変化だと筆者は思いました。良い方向に向かっていっている今のCRYAMY、めちゃくちゃ良いです。全部のライブを見逃したくない気持ちです。
〇CRYAMY好き同士良かったら繋がりましょう。フォロバします!
DM開放してますので、ガンガン語りにきてください。ちなみに、CRYAMYと出会ったきっかけの話を募集中です。たくさん集まったら記事にしたいです。

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