キュウソネコカミの魅力は物語性だと思う【もはやONEPIECE】

本記事では、ロックバンド・キュウソネコカミ音楽ではなく、あえて物語性というところに注目します。音楽以外の視点から、彼らの魅力を知りたい!という方に楽しんで読んでいただけると嬉しいです。

もくじ

1.キュウソ≒ワンピース
2.セイヤさん≒ルフィ
3.キュウソ船のクルー
4.まとめ

筆者はキュウソネコカミが大好きなただのファンです。あとONEPIECEも大好きです。両者は似ているとずっと思っていたので今回は記事にしました。なお、ONEPIECEに触れる際には抽象的な表現にしますので、詳しくない方でも分かりやすく、そしてネタバレ要素もない内容になっております。安心してお楽しみください!

□1.キュウソ≒ワンピース

キュウソネコカミとONEPIECEの共通点は、ファンを一緒に乗せて進んでいく、一緒に泣いたり笑ったりしながら進んでいく、その特性である。

ONEPIECEの大きな魅力として、読者もクルーになった気分になるということが挙げられる。
物語は主人公ルフィが船員を一人ずつ増やしていくところから始まる。一人の登場人物と出会い、濃いエピソードを通して、ルフィが人として認め、「仲間になろう」と勧誘したとき、読者もまたその新しい船員を認める。ONEPIECEは読者を置いてけぼりにしない。誰もが納得できるところまでその人物を丁寧に描く。それゆえの、あの巻数だといえる。だから、仲間が傷つけられるようなことがあれば、ルフィと一緒に読者も怒るし、船を抜けるなんてことになれば読者もまた、身を切るほどに苦しい。漫画の紙の上ではおなじみの船員たちが冒険をしているが、実はその紙の外側では、読者もまた船員として冒険に参加させられているのである。それがONEPIECEという漫画だ。

では、キュウソネコカミはどうか。
彼らもまた、ファンを巻き込んで一緒に進んでいく。特にバンドは漫画とは違い、実際にライブで同じ時間を共有することができる。彼らのライブは、バンドメンバーとファンが一緒に楽しむ場所になっている。お互いの楽しむ姿にテンションがあがるような、ハッピーに溢れた空気がある。フェスで初めて遠めに彼らを見たとき、この空気に筆者は圧倒された。観客とメンバーたちが一緒に楽しんでいたのが眩しかった。バンドと観客が同じところに立っている感覚があった。ステージはあんなに高いところにあるのに、その高さを感じなかった。ファンと一緒に楽しんで、お互いに元気をもらい合う、そんなバンドなんだと思った。

そしてこのバンド、楽しむだけではない。
ワンマンライブのチケットが売り切れず、悔しい気持ちを叫ぶこともある。悔しい気持ちを表に出すのはダサいことだと考える人もいるかもしれないが、彼らは悔しいことを表に出すことでかっこよくなるバンドだ。悔しさで顔を歪ませる日があってもいい。悔しさを糧にして泥臭く立ち向かっていく、それが彼らのかっこよさだ。そして、いつもライブを全力で楽しむ彼らを見ているからこそ、彼らから悔しい気持ちが出たとき、ファンはその悔しさを敏感に感じ取る。いつも楽しいライブは熱を帯び、応援したい気持ちでファンの拳は強く握られる。バンドとファンが、楽しい気持ちも、悔しい気持ちも一緒に感じながら夢を追う。これがキュウソネコカミとONEPIECEの共通点である。

□2.セイヤさん≒ルフィ

キュウソネコカミとONEPIECEの共通性について書いてきたが、両者が似ているのはボーカル・ヤマサキ氏(以下セイヤさん)によるところが大きいと筆者は考える。彼とルフィもまた、共通点が多い。

ルフィである理由その1:夢にまっすぐ

船長
が夢を語り、それを叶えるためにクルーが全力で協力するという構図が、麦わら海賊団とキュウソネコカミの共通点だ。これをやりたい!という希望を示し、ゴールを決定するのが船長の大きな役割とも言える。つまりセイヤさんには船長感があるのだ。ちなみに今のセイヤさんの夢は「キュウソネコカミを一生続けること」だ。“ルフィである理由その4”で挙げるが、バンドの儚さを知っている彼がこの夢を語ることに筆者はこの夢の重さを感じる。ファンにとっても最高の夢だ。一緒に叶えたい。

ルフィである理由その2:仲間思い

仲間思いにはメンバー思いとファン思いがあるが、メンバーについては第3章で触れるので今回はファン思いについて触れる。キュウソネコカミのワンマンでは、セイヤさん以外ダイブ禁止というルールがある。そしてセイヤさんが行うダイブは、観客の上を歩く、クラウドウォークと呼ばれるものだ。観客がダイブすると、落ちたら恥ずかしいという自己中心的な気持ちで下の人を蹴り上げて転がるような人もいるが、ファン思いなセイヤさんがダイブすることによって、怪我をすることや嫌な思いをすることがなくなる。靴の裏を拭いてからファンの上にダイブし、崩れそうになると、「大丈夫か??」と下の人に聞く。危ないと判断したら止まり、立ち上がる時間をつくって態勢を整える。一歩進むごとに、ファン思いな彼の人柄が伝わり、ファンとの信頼関係をつくっていく。そして会場の中央に辿り着き、彼が立ち上がったとき、歓声があがる。筆者はこの瞬間が大好きだ。本当に、少年漫画の主人公みたいだ。ぎゅうぎゅう詰めで汗まみれのフロアに降りてきてくれる、心優しいフロントマンはまぎれもなくみんなのヒーローなのである。

ルフィである理由その3:少年心

自分の誕生日に模造刀を買って、「かっこえ~~~!」と言いながら目をきらきらさせたり、野外ライブで水鉄砲を発射させてケラケラ笑ったり、ステージ上で三輪車で爆走したり、とにかく少年。いやもうルフィ。いつまでもその心のままいてほしい。

ルフィである理由その4:儚さを知っている

これってそもそもルフィらしいのか?と思うかもしれないが、実はルフィの大きな特徴である。ONEPIECEのアラバスタ編では、誰も失うことなく国を救いたいと言う王女に対し、「人は死ぬぞ」と静かに諭した。ルフィは天真爛漫なイメージだが、時折まじめな表情になってこういうことを言う。セイヤさんもそうで、普段は明るく激しいライブをするが、「休止とか解散とか寂しいけど、俺たちはいつか別れるときがくる。だから、会えるうちにあなたたちの好きなその気持ちで会いにきてほしい」と言うこともある。ちなみにこの発言は、解散を予想した言葉ではなく、バンドという存在の儚さとファン側もいろいろな理由があって離れていくことがあるという事実を汲んだ上での発言だ。バンドがあり続けること、ライブができること、ファンと会えることは当たり前のことじゃないというメッセージだ。このように、明るいだけじゃなく、大切なことはしっかりと分かっているところがルフィとセイヤさんの共通点だと思う。

以上、4点挙げたが、他にも破天荒なところなど探せばまだ共通点があるかもしれない。追加の共通点を考えてみるのもおもしろいかもしれない。

□3.キュウソ船のクルー

前章で、セイヤさんはルフィだという話を書いたが、他のメンバーとの関係性もONEPIECEっぽいところがあるので、当てはめてみる。仲間の絆が深いというのも、ONEPIECEとキュウソネコカミの共通点だと思うので、そのあたりをこの章では伝えたいと思う。

〇ヨコタ シンノスケ
キーボード&ボーカルで、フロントマンとしてセイヤさんと一緒に歌うので、船長の右腕ということでゾロという考え方もあるが、筆者としてはナミを推したい。企画の進行係やスタッフのまとめ役によくなっている印象があり、ライブでは、観客を煽り、跳ぶときは自らがジャンプして、音楽のノリ方、楽しみ方を教えてくれる。そんな彼には、船長の夢を叶えるために指揮をとり、航海士としてみんなを導くナミを当てはめたい。また、彼には、ライブ中にメンバーやファンの様子をしっかり見ていて、臨機応変にフォローしている印象がある。船長が全力を出せるのは、彼のサポートがあるという安心感からだと思う。

〇ソゴウ タイスケ
ドラムの彼は圧倒的にチョッパーだと思う。セイヤさんによくちょっかいをかけられているが、その姿がルフィとチョッパーに見えて仕方がない。筆者が好きなくだりは、ステージ入りの際にセイヤさんが小ボケでドラムの席に座るくだりだ。後から入ってきたソゴウさんが「なんでやねん」と言うとセイヤさんがケラケラと楽しそうに笑う。本当にかわいいコンビだと思う。また、普段はいじられキャラだが、ドラムを叩く時は男らしい表情になり、めちゃくちゃかっこいい。それがチョッパーが人型の状態に思えなくもない。(ONEPIECEに詳しくなく、イメージできない方は「チョッパー 人型」で検索してください)あと、メンバーで会議をすると、あまり発言しないが、最後に誰も思いつかなかったような意見を言うことが多いというエピソードがある。困ったときの最後の砦のような存在なのかもしれない。

〇オカザワ カズマ
ギターの彼はゾロだと思う。ゾロの漢感とはまた違う、穏やかな雰囲気をもつお兄さんだが、真面目で努力家、自分にストイックな姿勢がメンバーの中で最もゾロっぽいと思う。酔うとお酒をこぼしてしまうそうだが、ゾロにも方向音痴というお茶目ポイントがあり、それに似ている気がする。セイヤさん・ヨコタさん・カワクボさんがアツく語る系だとすると、ソゴウさんとオカザワさんは冷静なタイプだと思う。この、どちらも同じくらいの比率でいることがバンドがずっと仲が良いことの秘訣だと思う。あと、ライブ中もファンとしっかりアイコンタクトをとっている印象がある。ギターの立ち位置は端の方なので、その近くにいる観客は視界が悪かったりする。フロントの方は見えないけど、ここは俺が楽しませますと言ってくれているような気分になる。癒されるので、筆者はライブ中にすし詰め状態で苦しいときは、オカザワさんを見るようにしている。

〇カワクボ タクロウ
ベースの彼はサンジだと思う。メンバーのなかで一番フレンドリーなかんじがする。サインお渡し会のときには、メンバーのなかでいちばん自然体な印象だった。なんと言えば伝わるのだろうか、あの友達感。(笑) あと、タクロウさんはとってもお茶目だ。ライブ中に「タクロウさん~!」という歓声がよくあがるが、その声に気づくと、ウインクをしたりピースをしたりしてくれる。そしてニカッと笑う。サービス精神旺盛だ。それで嬉しくなったファンがまた「タクロウさん~!」と呼ぶので、彼はほんとに人たらしだなと思う。髭をはやしたワイルドなかんじの見た目なのに、お茶目でサービス精神旺盛なかんじがサンジっぽいなと思う。そして、オカザワさんと同じく、端の方にいる観客も楽しめるよう、気を配ってくれているのがよく伝わる。キュウソネコカミは端から端までエンターテインメントだ。

〇はいからさん
バンドメンバーというかマネージャーさんなのだが、キュウソネコカミに関してはマネージャーさんもステージ上で役を演じたりすることがあり、もはや彼のファンもいるくらい人気者なので、本記事でも記述しておきたい。彼はずばり、フランキーだと思う。フランキーは船大工で、彼は小道具職人であるという点で、似ていると考える。主に段ボールで、小さなものから大きなものまで作成し、着ぐるみや衣装の準備もする。キュウソネコカミのエンターテインメント性を飛躍的に高めているのは彼だと言っても過言ではない。あとは、髪型と体が強そうなところも共通点としてあげたい。(笑)

〇キュウソネコカミ
バンド自体は、ONEPIECEでいう、メリー号にあたると考える。
ONEPIECEでは、メリー号からサニー号に乗り換えることになるが、キュウソネコカミはどうなっていくのだろうか。どうか、このバンドでずっと冒険をつづけてほしいと思う。筆者はこの船の物語を、ずっと見続けていたい。

長くなったが、キュウソネコカミはONEPIECEのキャラに全員を当てはめることができるほど、メンバーそれぞれが個性的なバンドだ。そして、その個性をメンバーやファンに向けて活かすことで夢に向かって進んでいる。この支え合える絆の強さがキュウソネコカミというバンドの大きな魅力である。これはもはやバンド版ONEPIECEと言っていいのではないだろうか。

□4.まとめ

キュウソネコカミが、メンバーと支え合い、ファンをも巻き込んで、夢に向かって泥臭く進んでいく、まるでONEPIECEのような物語性をもったバンドだということが伝わりましたでしょうか。

「バンド」は音楽だけでなく、そのバンドがもつ物語や、歩んでいく道のりにも大きな魅力が詰まっていると思います。こんな楽しみ方もあるんだ、と知っていただき、あなたの音楽ライフがより豊かになれば幸いです。ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

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