【セトリ有】climbgrow第2回配信ライブレポ(7/31)

本記事では、2020年7月31日に開催された配信ライブについて、レポートしていきたいと思います。”配信ライブを見た方とこの興奮を共有したい” ”見たかったけど見れなかった方に少しでも雰囲気を味わってほしい”、そんなことを目的にした記事です。

climbgrowを知らないという方は、彼らの魅力についてまとめた記事を過去に公開しておりますので、そちらを読んでいただけると嬉しいです。今回は、「climbgrowとは」という内容をすっとばしすので、既にファンになっている人向けです。

もくじ

1.はじめに
2.セトリ
3.全シーン感想
4.まとめ

□1.はじめに

今回の配信ライブは、7月31日に開催予定だったclimbgrowワンマンライブ「FUTURE」の東京公演がコロナの感染拡大により中止になったために、無観客配信ライブとして、climbgrowのホームである滋賀B-flatで開催されることになりました。東京公演は筆者も参加予定でしたが、この状況では当然の判断と言わざるを得ません。そして何より、同日に配信ライブをしようというその配慮及び心意気には感謝しかありません。何もないのと配信ライブがあるのは全然違います。また、東京公演に参加予定でなかった方も楽しめるので、今できる方法のなかで一番良い方向に舵をきっていただけたと思います。本当に良いバンドに良いスタッフさんたちだと思いました。最高です。この日のことを残しておくために今回もレポートを書くことにしました。良かったらお付き合いください。

□2.セトリ

毎度のことながら、climbgrow公式チツイッター及びインスタグラムでセトリが公開されておりますが、目次代わりになるかと思いますので、本記事にもセトリを載せておきます。

①未来は俺らの手の中
②ラスガノ
③閃光
④THIS IS
⑤TIGHT ROPE
⑥LILY
⑦DOOR
⑧街へ
⑨POODLE
⑩風夜更け
⑪RAIN
⑫MOTHER
⑬MONT BLANC
⑭ドレスを着て
⑮叫んだ歌

□3.全シーン感想

「7月31日、B-flat。俺たちは俺たちの未来をつくりにきた。未来は俺らの手の中」という泰誠さんの言葉から配信ライブが始まります。1曲目は未来は俺の手の中。終盤にくるイメージのある曲ですが、一発目にもってきたところに意図を感じます。公演名も「FUTURE」なので、今回のテーマは未来なのでしょう。コロナのご時世のなか前を向いている彼らはかっこいいです。自分の好きなバンドが、この状況下でも前を向いていることが心強いです

「越えていけますか」という泰誠さんの問いかけから始まった2曲目はラスガノ。「お前の未来はあんたが決めろ」、「あんたらが未来を変える番だぜ」という言葉が合間で投げかけられ、やっぱりテーマは未来なんだなと思いつつ、climbgrowは引っ張るとか連れて行くというよりかは、聴き手のケツを叩いて進ませるバンドだなと思いました。何回だって歌ってやるけど、最後に決めるのは、最後に動くのはあんただぜ、とそういうメッセージを感じました。エンタテイメントかつエンパワメント。個人の潜在能力を引き出す力がこの曲にはあると思います。此処からが勝負。それぞれの未来へ向けて一歩を踏み出したいですね。

流れるように始まる3曲目は閃光。新曲ですがファンにもだいぶ馴染んできたように思います。サビ直前の「あー」って泰誠さんの声とギターのキィィィンって音が重なるところが個人的にめっちゃ好きです。サビへのフリみたいなかんじで。来るぞ!!!感が好きです。(笑)

ここでMCをはさみます。水を飲むもっくんのほっぺたがぷっくり膨らむのが可愛い。(笑)「改めましてclimbgrowです、よろしく。」という泰誠さんの言葉に「サンキュー!!!」とチェンさんが変なテンションで叫びます。それをチラッと見てニヤケながら泰誠さんが「きついな」と一言。生のライブだとこのやりとりがおもしろいのですが、配信ライブだと謎の放送事故感があります。(笑)盛り上げ隊長チェンさんとクールな泰誠さんのいつものコントというかんじがしてほっこりします。チェンさんが何かして、泰誠さんが「それ何なんww」という相変わらずの流れ。そしてからかうわりに何度もやらせる泰誠さん。そしてやってしまう強メンタルのチェンさん。(笑)最後は「それでタイトルコールして」と無茶ぶりを要求され、「サンキュー!!!」と同じノリで「OK,じゃあいっちゃおうか!THIS IS~!!!」というチェンさんのタイトルコールが叫ばれ4曲目がスタートします。

タイトルコールのとおり、4曲目はTHISIS。今回の見どころは巻き舌だったように思います。「気が滅入る~」のところの「る」がすごくて、チャット欄が「巻き舌絶好調やな」とか「るるるるる」とか言ってる人がいておもしろかった。(笑)この声と巻き舌がまた合うんですよね~。声だけでかっこいいのに、その声を最大限に活かしてくれるので、泰誠さんのところにこの声がきて良かったなとよく思います。(誰視点やねん)
曲終わりに「センキュー!」と言いながら笑う泰誠さん。視聴者としては笑うポイントどこ?!と思いましたが、チェンさんの「センキュー!」が尾をひいたのかなと思うと笑えてきます。泰誠さんって結局チェンさんのこと大好きですよね。(怒られそう)

5曲目はTIGHT ROPE。新曲ですが、前回の配信ライブでも演奏してくれていました。タイトロープって何だろなと思い検索すると、「綱渡りの綱。または綱渡りそのもの。危険を冒すこと、危ない橋を渡ることのたとえに用いる。」と出てきました。CDが出て歌詞が公開されたらじっくり読んでみたいです。曲としては、ブーメランみたいなかんじが好きです。途切れることがないというか、サビの終わりで「~もない、~もない」ってなってまたサビ始まるみたいな。ブーメラン投げて戻ってきたのをまた掴んで投げるみたいな。すいません、語彙力が無さすぎました。(笑)

「まだまだ足りない。あきらかに足りてないから持ってきました。ロックンロールを1曲。LILY~~~!!!」と叫んで始まったのは6曲目のLILY。特筆すべきは曲の合間でささやかれた「イェェ」ですかね。その声で囁きはあかんでしょ。声フェチの筆者は大歓喜です。LILYは相変わらずの色気で、歳を重ねて40歳くらいになったときに歌うLILYはどうなっているんだろうと思ってしまいます。やばいだろうな、色気…。

「新曲」と言って始まる7曲目のDOOR。この曲かっこいいですよね。サビ直前の「壊れて」のところが個人的に好きです。声をひっかけるような歌い方になるので好きです。筆者はサビ直前が好きな傾向がある模様。あと、「おおおお~」のところの声が良すぎる。チェンさんのハモりがあるから余計に良いのだと思います。配信ライブの見どころは和嗣さんでした。ギターの音が際立つ演奏。かっこいい。

8曲目は街へ。今は廃盤になっている「EL-CAMINO」というミニアルバムに収録されています。新参者の筆者はこのCDを入手できないので、再録していつかのCDに入れて欲しいなと思ったりしています。今回の配信ライブで初めて聴くことができたわけですが、優しく沁みる曲で、大好きになりました。かっこいい曲も優しい曲も持ってるところが本当に好きです。あと、CDの発売日から見ると、高校生のときに書いた曲だと思うのですが、それを大人になっていろんな経験をして感性も変わっているなかで歌っているのがまた良いなと思います。今だから出る優しさ、深みなんだろうなと思います。いつか生で聴きたいです。あと、もっくんがドラムスティックを交わして鳴らすところがめっちゃ好きです。他の音が止まって、ドラムスティックの音が鳴って、また他の音が鳴りだすのが連続するところ。めっちゃ好き。

9曲目はPOODLE。MCなしで泰誠さんの弾き語りが突然始まり、「雲の隙間から差し込む光明 お前に会えない生活は淀んだ 追い風がお前を運んでくる様に 俺の前にはもうー…」というところで途切れさせ、「愛してたやつの歌を。」と言ってバンドの音が鳴り、イントロから始まります。この始まり方、すごく心が締め付けられますが、この曲に込められた想いが痛いくらい伝わってきます。曲の合間に放たれた「また会えるような気がする」という言葉も印象的でした。梅雨が明けると入道雲が出てきますね。今聴けて良かった。

ギターを置き、マイクを持つ泰誠さん。MCが始まります。ここの横顔が綺麗すぎて惚れる。「climbgrowで歌ってから、8年か9年ぐらい、あんま覚えてないですけど、こんなにでかい敵というかでかいものと闘かったのは初めてで、コロナは死ぬほど憎いですけど、それでも時間は進んでいてとても置いていかれているような気持ちになります。音楽とコロナの闘いかもしれないけど、俺はまだ自分との闘いをしている最中。自分が正しいと思って曲にして自分が正しいと思ってるから言葉に書ける。俺はこれでロックンロールを、世界を変えようと思ってる。何が起きてるか知らんけど、間違いなくどでかい穴ぶちこみにきました。風夜更け」

10曲目は風夜更け
。直前のMCの下線部にも表れていましたが、自分の考えをしっかりと持って言葉にするから、この曲はこんなにかっこいいのだと思います。だから筋が通っていて、自信のあるパフォーマンスができるのだと思います。こんなにかっこいいバンドに出てこられたらまじでロックシーンに風穴あいてまう。人気になればなるほど、チケットが取りにくくなったり、距離が遠くなったりしてしまうのかもしれないけど、climbgrowがロックンロールにどでかい穴あけるところは見たいから、早くメジャーデビューしてくれという気持ちです。かっこよすぎて人に教えたくないというか、自分のものにしていたい気はするけれど、そんな小さな個人の欲に収まるようなバンドではない。もうこっちのことはどうでもいいから、風穴あけてきてっていう気持ちになります。かっこいいです。

「誰にも邪魔させない。俺らがある所以。俺らにしか鳴らせない音を。RAINという曲を。」という泰誠さんの言葉に続いて11曲目はRAIN。冒頭から「戦わなくちゃいけねえだろうが。戦ってなんぼでしょうが。日本いけますか。聞こえてますか。」と煽り、曲が始まる。「ハァ~」と息を吐く場面があったのですが、もうこれ完全に戦いですね。喧嘩前に拳に息吐きかけるやつのマイクバージョンやん。これだけにとどまらず、曲の合間でも「まだまだ戦わなくちゃならない。どこまで戦ったらいい?知らねえ、永遠に戦ってやるよ。かかってこい。」と煽りまくる。いやもうかっこよすぎる。泥臭くてたまらん。最後の「私が愛したこの世界へ」の部分を「俺が愛してるビーフラットへ」に変えていたのも最高でした。愛のある泥臭いボーカル、推しポイントしかない。

ギターを持ち直し、泰誠さんのMCです。自身のおばあちゃんが認知症であることを告げ、自分の顔や名前を忘れているのに、覚えているふりをして笑いかけてくれること、ツアー等で家を空けることが多いために、一人でどこかへ行ってしまったときに気づいてあげれないことのやるせなさ、翌朝に警察から連絡がきて迎えに行くとおばあちゃんの声が枯れていたこと、行きたい場所があるなら一緒に行きたいのに、いつも自分を置いて一人で行ってしまうこと、そんな気持ちを言葉にしてくれました。「あんだけ昔、世話してくれたばあちゃんに何もできないのが胸糞悪くて。」という泰誠さんの言葉が真っすぐで。続く、「誰にも言えないこと、抱え込んだとき、どうしようもないとき、何でもいい、何でもいいからこうやって歌にしたり、人に話したりすることが大事だと思うんすよね。最近の人、抱え込むこと多すぎないですか。もうちょっと気楽に、優しくなれたらいいのにな。この歌を歌って、治ったらいいなと、全部吹き飛ばしてやれたらいいのになと、1㎜でもいいから何か動かせたらなと思って書きました。」というMCにはおばあちゃんへの想いに加え、抱え込まないようにという聴き手へのメッセージも含まれ、人として、ボーカルとして、好きだなと思いました。

12曲目は新曲、MOTHER。インスタでチラ見せ公開されたときから、想いがぎゅうぎゅうに詰まった大切な歌なんだろうなと感じていましたがMCを聴いて腑に落ちたような気がします。筆者は介護職の経験があるので、認知症の方を見てきましたが、人や物や場所が認知できなくなっていくというのは、本人も家族も悲しみや戸惑いに包まれてしまいます。ただ、この曲が本人の心の支えになればもちろん、届かなかったとしても家族の心の支えになれば、まわりまわって本人の環境を保つことになります。直接的な治療ではなくとも本人が落ち着いて過ごせる環境を保つことが進行を遅らせる鍵になります。そしてCDを手に取った人たちの心にもこの曲は確実に届いていきます。彼の優しさがこの曲を通して、多くの人に、そして届けたい人に届いてほしいと心から思います。

「どんなに世界が終わってようと、俺はこの世界でバンドをして、俺はこの世界で売れたい。MONT BLANC」という泰誠さんの言葉で、13曲目のMONT BLANCが始まります。しんみりした曲の後に、落ち着いたテンションのまま、でもちょっと前向きなかんじで聴ける曲だなと思います。この曲は、聴き心地が良くて永遠に聴いていられます。

曲が終わると、泰誠さんのMCです。守りたいものが最近少しずつ増えてきたという話の流れがあり、泰誠さんから「この世界のだれか一人でも救えたら、それはロックンロールだと思うんすよ、ロックスターだと思うんすよ。こんだけ狭い狭い人間でも、誰かが俺の曲を聴きたいつって、言ってくれるから、またいい曲が書きたくなるんすよね。だから、ギターも触ったことないような奴の歌を俺は待ってる。あんたらが俺らを待ってくれるように。このギターから誰かを救う音が、俺が歌う声が、誰か一人でもいい、救うような歌を。クソみたいな世界でも、暗い世界でも、怖いんだったら俺が手を握っといてやる。初めは馬鹿にされるかもしれないけど、それでいいんだ。この世界が少しでも優しい世界になりますように。」という言葉が語られました。なんて温かく、心強いのだろう、このバンドは。少なくとも筆者にとっては間違いなくロックスターになっています。このバンドを好きになって良かったと思える瞬間でした。

14曲目はドレスを着て。丁寧に歌う姿が印象的です。直前のMCで「だれか一人でも救えたらロックンロール」という言葉がありましたが、だからこういう優しい曲が生まれるんだなと思いました。ロックンロールの定義はアーティストごとにある気がしますが、climbgrowの考え方はこれなんだなと思いました。バチバチの激しい曲をたくさん持っていながら、こういうことを言うので安易に好きになってしまいます。彼らのロックンロールが大好きです。

「最後の曲。またパンパンのライブハウスで会いましょう。」という言葉で始まるのが15曲目、叫んだ歌。安定のかっこよさ。今回も満足感たっぷりの配信ライブでした。

□4.まとめ

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。全15曲で、6曲が新曲という豪華さ。今のclimbgrowの全力を見せてくれたように思います。また、無観客なので楽しいMCはやりにくかったかと思いますが、だからこそ今回は深い内容のMCが多かったなと思います。杉野泰誠の人間性が色濃く表れたライブだったと思います。今回のハイライトは、「街へ」を聴けたこと、「風夜更け」のMC~「RAIN」のえげつないかっこよさ、「MOTHER」、でした。「POODLE」も良かったな。ハイライトが多すぎる…。かっこよくて、優しくて、かっこいい(2回目)バンド、climbgrow。知れば知るほどロックンロールだなと思います。

配信ライブ、何回でもやってほしい。

〇climbgrow好き同士、良かったらつながりましょう♪

Twitter☞ @pony_enseinote
Instagram☞ pony_enseinote