【必読】心斎橋を刻め2021ライブレポ【climbgrow部分】

2021年1月8日にOSAKA MUSEで開催された心斎橋を刻めというイベントのレポートです。時間が許せば、全バンドのレポを後日掲載しようと思いますが、climbgrowだけで内容が濃すぎたので、本記事は彼らに絞ってレポートします。ファンじゃなくてもまとめだけでも読んでほしい

もくじ

1.はじめに
2.climbgrowセトリ
3.全曲全シーン回想
4.まとめ

□1.はじめに

2021年1月8日にOSAKA MUSEにて開催された、心斎橋を刻めというイベントは、メンバーがコロナ陽性者と接触した可能性があると分かった、さよならポエジーが出演辞退となり、ザ・モアイズユー、CAT ATE HOTDOGS、あすなろ白昼夢、TETORA、Hakubi、climbgrowの6バンドが出演しました。6バンド出演で17:30開演なので、1バンドあたりの演奏時間はそれほどないのですが、この数十分で記事が書けるほどの内容の濃さだったので、今回はclimbgrowに絞ってレポートします。コロナの大流行により、首都圏1都3県で緊急事態宣言が出ており、大阪も宣言発出の要請をしているという情勢のなか、大阪心斎橋で開催されたライブで、彼らは何を伝えたか。ファンではない方にもぜひ読んでもらいたいです。

□2.climbgrowセトリ

セトリ

1.POODLE
2.未来は俺らの手の中
3.閃光
4.MONT BLANC
5.窓
6.DOOR
7.ラスガノ
限られた出演時間のなかでは、MCにかける時間はなく、直接的な言葉は少なかったですが、今回のライブがなぜここまで筆者の心に響いたかというと、セトリがすべてを物語っていたからです。いつも冒頭にくるDOORが後ろにあったり、定番のTIGHT ROPE、THIS IS、LILYがまさかのセトリ落ち。複数の出演者のいるライブでは、初めて見た人を引き込むべく、セトリ落ちした3曲をぶち上げるのがいつもの彼らです。明らかにいつもと違う。ライブの後、共に多くのライブに参加したクライムファンと、朝まで語り明かしこのセトリの意味を考察しましたので、次の章で記します。ファン同士の考察ですので、ただの妄想かもしれません。深読みかもしれません。でも朝になり、この考察を終えたとき、この日のライブの感動が腑に落ちた感覚がありました。だからこんなに感動したのだと。良かったら、私たちの愛のある深読みにお付き合いください。これが我々の結論です。

□3.全曲全シーン回想

①POODLE

リハが少しあり、「始めます」という一言で始まったPOODLEのイントロ。この曲はわかりやすいイントロなので、イントロの時点で「え?!?!POODLE始まり?!?」となりました。泰誠さんの亡き飼い犬に向けられた曲なので、命日とかが関係しているのかなとも思いましたが、曲中に、泰誠さんが「また会えるかな、また会える気がする、夏になったら会える気がする」と叫んでいて、それがどうしようもなく今のコロナの情勢と重なって聞こえた自分がいて、今日に関しては、犬に対しての曲ではなくなっている、と感じました。入道雲を見ると犬のことを思い出す、という内容の歌詞があり、それに合わせて「夏になったら会える気がする」と叫ぶこのMCは、この曲をやるときの定番で、何も特別なMCではありません。でも緊急事態宣言がでたら、昨年の春のように、ライブが全部なくなって、会えなくなってしまうかもしれないというこの状況下では、冬から春にかけてコロナでライブがなくなっても夏になったらまたライブができるんじゃないか、という希望も込めての夏だという受け取り方もできます。どこまで深く読むのが正解かは分かりません。ただ、いつもと同じなのに、違う意味に聞こえるこの表現が粋でした。犬に対する「もう一度会いたい」という気持ちを込めてつくった曲に、聴き手に対する「ライブで直接届けたい」という願いを重ねて歌ったら、どんな化学反応が起こるか。叶わないけれどあまりに切実なこの気持ちと願いは、その切実さにおいてリンクし、倍になって聴き手に届きます。そして、聴き手としても、亡き飼い犬に向かって歌うのならば泰誠さんの想いを想像しながら聴きます。でも、コロナで会えなくなるかもしれない私たちに向かって歌うのならば、私たち自身、ライブに行けないことがつらいので、想像するのではなく、自分の気持ちそのままで聴けます。さらに、ライブができなくなるバンドマンの想いを想像して聴くこともできます。本心と想像の二重で聴けるということ。行っていない方は聴きたかったと思うでしょうが、この文章はそれを目的としていません。あなたの好きなバンドは、この状況下でこの曲を歌って、聴き手をこういう気持ちにさせるライブをするバンドだと、愛に溢れたバンドだと、それを伝えるための文章です。行った人も行っていない人も、いいバンドを好きになったなと思えるような文章を、筆者は書きたいです。この文章を読んでから、POODLEを聴くと、違った聴こえ方になるかもしれません。POODLEは、こんなにも苦しくて、こんなにもあたたかい曲だったのかと、改めて思いました。

MC「命を削って歌います」

一曲目が終わると、泰誠さんから「こんな状況のなか、来てくれてありがとう。身を削ってみんな来てくれてるから、俺も命を削って歌います。」という言葉が語られました。過去のライブレポで、climbgrowのことを、「自分自身の身と心もエグりながら音と声を出して、聴く側の心をエグり散らかしていく」という表現をしたことがありますが、「命を削って」という言葉が語られたときには、やっぱり彼にとっては「削る」という感覚があるのだなと思いました。ここでは「エグる」と「削る」は同義だと捉えてください。楽しむとか発散するとかももちろんあるけど、ほかのバンドとの圧倒的な違いは、この「削る」という感覚だと思います。この自己犠牲的なかんじが、心苦しくもあり、かっこよくもあり、魅力となっています。あの~~、アンパンマンが自分の顔をちぎって分け与えるあのシーンに近いですよね、こちら側からすると「そんなに削らないでいいのに、幸せになってほしいよ」という気持ちにもなるのですが、やっぱりそういう、自分を削ってでも与えてくるところがかっこよくもあり、優しきヒーローなんですよね。クライムっていかついヤンキーかなって思うじゃないですか、違うんですよ、優しきヒーローなんですよ。そこが好き。

②未来は俺らの手の中

MCの続きでコロナの状況を地獄と表現し、「それでも俺はこの地獄を未来と呼ぶぜ」と言って2曲目に始まったのは、未来は俺らの手の中。筆者はこの一言が好きすぎて絶対に忘れないでおこうと強く思いました。コロナに関係なく、彼はきっと人生のなかでいろんな地獄を乗り越えて今歌っているのだと思うのですが、こうやって一つ一つ乗り越えてきた人なのかもしれないなと思いました。地獄をどうしようもない暗闇と見るのではなく、乗り越えるべき壁として、必ず超えられる壁として、超えた後のことを思い描いて、それを「未来」と呼び、乗り越えてきたのかもしれません。だから、彼らの曲はパワフルで必死で無茶で苦しい。地獄を歩くための音楽。例えるならば、過酷な登山をずっとしているような。その苦境の中で音を生み、鳴らしているバンド。どうりで力をもらえるわけです。仕事に行く前に聴くと、頑張れるかもと思えるのは、それが地獄を歩くための音楽だから。そしてこの曲をいつものように終盤で持ってくるのではなく、2曲目にもってきた意味も気になります。筆者の考察としては、文章の構成と同じで、最初に伝えたいテーマを伝えて、中身をいれて、最後結論という流れだとすると、この曲はまさにテーマの部分になっているのかもしれません。一曲目のPOODLEで会えなくなるかもしれないという現状を示し、2曲目で、今日のライブで伝えたいのは「未来」なんだという意思表示をしたのではないかと思います。今日は、未来を歌うから、この出番使って未来を届けるから、どうか絶望にのまれずにいて、と言われたような気持ちになりました。

③閃光

1,2曲目が切ない系だったので、今回のセトリでは1発目のぶちかまし曲です。テンションがあがってひたすらに興奮する曲なので、音のかっこよさにやられて歌詞に気が向かなくなりがちだと筆者は思っているのですが、ライブから帰ってから歌詞を読んだら、涙目になったので歌詞を共有させてください。
「迫り来る恐怖絶望を 俺は超えていける」、「今から春を迎えに行く それだけでいい」
読みましたか???やばくないですか???なにこれ泣いていい???
やっぱりどう考えても迫り来る恐怖絶望がコロナに重なってしかたないし、それをこの状況で、「俺は超えていける」と歌われることの意味というか。しかも、このあたりに、普段ならTHIS ISやLILYがくると思うんですよね。これらの定番曲をセトリから落として、閃光が選ばれたのは、この曲が超えていくための歌だからだと思います。このバンドの強さが、優しさが、眩しくて仕方ありません。

④MONT BLANC

ぶちあがり曲が閃光だけで終わって、またしんみりパートにすぐ戻るこのセトリが意外でした。そして、コロナ禍の6月にMVが公開されたこの曲は筆者にとって特別な曲です。コロナ禍のときに一緒にいてくれた曲。これは筆者だけでなく、多くのクライムファンにとってもそうではないでしょうか。この日にどうしてもやりたかった曲なのかもしれません。ゴリゴリのロックンロールを得意とする彼らが、優しい曲を歌うことの意味を感じます。

⑤窓

MONTBLANCからの窓という流れは普段のライブでもよくみる流れなので、筆者としては違和感はなかったのですが、クライムファンと語り合っていて、「窓は曲の時間が長い。限られた出演時間の中で、他のもっと時間が短くて有名な曲をすることもできたのではないか。なぜ今回のように多くのバンドがでる、出演時間の短いライブで、あえて曲の時間が長い窓をやったのか。」という疑問を呈されたとき、「たしかに。」と思いました。3分ぐらいの曲が多い中窓は5分もあるんですよね。筆者としては、「黒いカラス ゴミを漁って 光る街に そう羽ばたいた」という歌詞が印象的というか、未来を感じる応援歌だと思ったので、そこの部分が、コロナの今を乗り越えようというメッセージとリンクしていて、窓を入れたのかなと思いました。ただ、いろんな見方があって、「窓から見える景色」は何と重ね合わせることができるのだろう、という話をこのクライムファンはしていて、おもしろい視点だなと思いました。なぜ窓を持ってきたのか、これすごくおもしろいテーマだと思うので、なんか思いついた人はリプください。語り合いましょう。(笑)

⑥DOOR

ラスト2曲であることを告げ、6曲目は、DOOR。
いつも一曲目にくることが多い曲なので、意外なかんじがしましたが、ぶちあげ系の曲をするときのスイッチのような曲になっているのかもしれないと感じました。そして、深読みするのであれば、普段は「その先で待ってるぜ、DOOR」と言って一曲目として始まる曲で、ライブの幕開け感がありますが、これを終盤にもってくることによって、ライブの幕開けではなく、未来の扉をあけるという意味での幕開けを意味しているのではないか、と考えることもできます。ライブが終わっても、わたしたちの日常は続くから。ライブが終わった後の、未来の扉を、ラスト2曲で開いていってくれたのかもしれません。「戻れない もう一切 馬鹿みたいに 走れ」という歌詞も、前向きなメッセージとして捉えられます。この扉からなら、歩ける気がします。

MC「カウント聴こえんかった」

ラスガノきた~~!!!となったかと思ったら、イントロで演奏中断。「ごめん、カウント聴こえんかった(笑)」と言って笑う泰誠さんに、会場があたたかい笑いに包まれます。climbgrowってめちゃくちゃかっこいいライブをするのに、突然オフになる瞬間がありますよね。そこもかわいくて好きです。(笑)こうなったときのお助けマンはベースのチェンさん。泰誠さんがチェンさんに振ると、「フォ~~~~!!!!」とチェンさんがテンションをぶちかまし、さらに会場を笑いに包みます。対バンだろうがイベントだろうが、思いっきりぶちかましてくれるので本当におもしろい。(笑)自分が切り替えねば、と判断した泰誠さんが、しっかりかっこいいモードをオンにしてラスガノに繋げます。突然オフにしても、またオンにしたときに、ちゃんとさっきまでのテンションに戻れるというか、その切り替えの差も好きです。(結局ぜんぶ好き)

⑦ラスガノ

「ここからが勝負だ」と言って始まった最後の曲はラスガノ。
もうこれが最高で。普段のライブだと、RAINや風夜更けがラストに来ることが多いですが、
ここでラスガノをもってきたのは前向きな歌詞だからでしょうか。ぶち上げ系の定番曲をたくさんはずしたことで、ラスガノにめちゃくちゃパワーを注ぎ込んでいるかんじがしました。やっぱりこういう曲、climbgrowの真骨頂ですよね。最後は背中をけりとばして前に進ませてくれます。コロナでどんな状況になるかわからないけど、次会えるときまで、しっかり進んでいこうと思いました。

※↓まとめ絶対読んで下さい

□4.まとめ

できるだけ多くの情報を知りたい人向けに本文をつらつらと書きましたが、今回筆者が一番伝えたいことはこのまとめ部分です。一緒に泣きたい。

6バンドが出演するこのイベント、客層もそれぞれのファンでバラバラです。たくさんの人に知ってもらって、初めてみた人を虜にして、ファンをどんどん増やして、売れていきたい、飛躍していきたい彼らにとって、このイベントは自身を知ってもらうための絶好の場所です。本来なら、キャッチーで、絶対に盛り上がる、いつもの定番曲、彼らのもつ一番強い曲をやるべきです。THIS IS、LILY、TIGHT ROPE、RAIN、風夜更け、ライブに来たことのある方なら、この曲たちの強さが分かりますよね。爆発的なライブができるラインナップです。これらが全てセトリ落ち。そして今回のセトリ。バンドのことよりも、コロナ禍のなか、ライブに来た人に希望を与えることを最重視したセトリ。聴く者を、コロナの絶望から救うことを選んだセトリです。climbgrowファンのみなさん、あなたが応援しているバンドは、こういうバンドだったみたいです。泣けますね。もう大好きが溢れて止まりません。ここまで文章を書いてきましたが、もしかしたらすべて深読みかもしれない。そんな意図はありませんと笑われるかもしれない。でも、彼らならやりかねないとも思うのです。もしも、この考察が当たっているのであれば、筆者はこの夜を伝説にしたい。もっと有名になったときにも、「この話知ってる?」とそのときの新規のファンの間で語り継がれるような、伝説にしたい。そのための、この文章です。

※↓ここからは雑談

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。ライブ後に同じ部屋に泊まり込んで朝まで語り合ったあなたがいなければ、この文章は書けていません。ありがとう。

この文章を読んで、そういうのめちゃくちゃいいなと思った方は、ぜひ仲良くしてください。毎回ライブ後に語り合う、考察メンバーみたいなのできたらおもろいな。(笑)会わずとも、TwitterのリプやDMで語るのもいいなと思っています。筆者の主観だけの記事も、いろんな人の見方や感じ方を取り込んだ記事も書けたらおもしろいなと思っています。まずは、SNSで繋がっていただけると嬉しいです。気軽に絡んでください!

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