YOUR CANVAS TOUR 2022@釧路SILVER MACHINEライブレポ【ジュウ部分】

THE BOYS&GIRLSによるYOUR CANVAS TOUR 2022の釧路公演が10月9日(日)に開催されました。ツアーがしばらく続くため、ネタバレ防止の観点からボイガルについては記載せず、ゲストのジュウ部分のみレポートします。

もくじ

1.ジュウの概要
2.セットリスト
3.ライブレポ
4.まとめ

□1.ジュウの概要

筆者はただのファンなので、気軽に読んでいただけますと幸いです。ジュウを知らない方向けに、まずは公式サイトより紹介文を引用します。

2018年8月、凌(vo./gt.)個人の弾き語りでの活動をベースに、凌の地元でもある北海道釧路市を中心としたメンバーでバンド体としての活動を始める。

凌の人間味を凝縮したワードに荒々しくも包み込むようなバンドサウンド、声とメロディは唯一無二の存在としてジャンル問わず聴く人を惹きつける。

メンバーは髙浪凌(vo./gt.)、イワサヨシアキ(ba./cho.)、カズト(gt./cho.)で、サポートドラムとしてヤマグチハヤトが参加しています。2021年6月にタカナミからジュウに改名したため、リリースしているCDはタカナミ名義の作品とジュウ名義の作品があります。

ジュウの活動拠点は東京で、筆者も東京在住のため、普段の方が気軽に見れるのですが、“地元凱旋となる釧路でのライブ”に魅力を感じ、参加を決めました。北海道出身という共通点のあるボイガルとジュウの対バンというのも、激アツポイント!超かっこいいライブだったので、ライブレポを残します。

□2.セットリスト

1.平成、この夜に
2.赤いZ
3.大成
4.マジで
5.金夜の社会
6.ネズミ講のヒカル
7.M38の真ん中
8.バビロンズ首都高
9.霧のかかる釧路
10.青少年
11.火日東京
12.Tokyo night klaxon

□3.ライブレポ

今回の会場は釧路SILVER MACHINEという小さなライブハウス。釧路駅前のホテルから歩いて向かったが、真っ暗な夜の中、灯りのともった漁船がたくさん停まっている港が見えてきたときは驚いた。こんなところにライブハウスがあるのか?と、思わず不安になったが、そんな筆者の心配をよそに、見えてきたのは入場待ちの人だかり。既に列ができていた。

整理番号は50番台で、会場に入ると5列目くらいだった。コロナ禍で距離をあけていたのもあり、視界は良好。初めて来るライブハウスは緊張するが、ワクワクする。そして会場が暗くなり、先行であるジュウが登場

vo&gtの髙浪凌がシャカシャカとした素材の真っ赤なジャージでステージに立った。赤いZという曲のMVを見たときも思ったが、本当に赤が似合う。地元釧路に舞い戻ってきたヒーロー!というかんじがして、勝手に嬉しくなった。

1曲目は平成、この夜に。いやもう最高でしょ。準備体操いっさい無しでいきなりぶち上げというかんじ。(ウワ~~~~!!!)となってしまった筆者の気持ち、ジュウを好きな人なら分かってくれるはずだ。

曲名を告げて、2曲目は赤いZ。「汗びっちゃり」という歌詞がサビにくるのが印象的な曲で、筆者はこの曲が纏っている全力感が好きだ。ジュウはアツいライブをするバンドだから、ライブで見るとさらに魅力が増す。

MCでは「北海道の寒さを舐めちゃいけないと思って厚着してきたんですけど、北海道の方が暑いですね。」と投げかけ、直後に「いや、北海道の方が暑いは嘘か、嘘だな。俺、ステージでは絶対に嘘つかないって言ってるのに…初めて嘘ついたかもしれない…(笑)」と撤回。

筆者も北海道は寒いはず!と思って厚着をし、汗だくになってしまったところだったので、大袈裟に言いたくなる気持ち、すごく分かると思って笑ってしまった。

3曲目の大成と4曲目のマジでを演奏し、楽しい気持ちが加速していく。フロアはボイガルのお客さんの方が多そうだったが、アウェー感はなかった。北海道の釧路という筆者にとっては何のゆかりもない土地で、その場にいた人たちと同じ音楽で拳をあげられたのが、とても嬉しかった。

ボイガルに触れたMCが多いのも印象的だった。初めての共演で、会って話したのも今日が初めてで、どういうふうに受け取ってもらえるか分からない、次またこうやってライブができるのかも分からない、というような内容を話していた。

筆者の主観的な受け取り方だが、ツアーに呼んでくれたボイガルに応えたいという気持ちと、挑戦したいという気持ちが混じったような思いを感じた。今回のライブはお客さんだけでなく、ボイガルにも真正面からジュウの音楽を突き刺そうとしていたような気がする。

5曲目は金夜の社会。金曜日の夜にたむろして青春を過ごす若者たちの曲で、「なんでそんな時間に外たまってたの?何か楽しいワケとか知れるかな 青春の一ページ」という歌詞が印象的だ。筆者の学生時代は勉強とバイト漬けで、夜に友達とたむろするなんてこともなかったので、この曲を自分に重ねて聴くことはなかった。別世界の話というかんじだった。

ただ、社会人になってライブハウスに通うようになってから、同じ音楽を好きな人たちと出会い、終電まで道端で話し込むことも多くなった。筆者はこのライブの前日に札幌でCRYAMYと時速36kmのライブを見て、同じライブに来ていたファン同士で深夜3時頃まで話し込んだり、謎に札幌の街中に佇む観覧車に乗ったりして遊んでいた。

ライブで金夜の社会を聴きながら、昨日の札幌の夜を思い出して、なんだか少し泣きそうになった。楽しかったなとか、友達っていいなとか、音楽っていいなとか、いろんなことを思った。別世界のようだった金夜の社会は、いつしか自分の歌になっていた。このタイミングで、生でこの曲を聴けたことが幸せだった。

「東京ではネズミ講に気をつけて」と言って、6曲目はネズミ講のヒカル。続けて7曲目はM38の真ん中。ジュウの曲ってなんでこんなに全部かっこいいの?と頭を抱えたくなった。

8曲目はバビロンズ首都高なのだが、曲の前にMCが入った。要約すると、「警察がきた!」というときに仲間内で「バビロンがきた!」と言っていた思い出があり、ニュアンスとしてはバビロン=正義の権力。自分のルールを守ろうとすると、他のルールから外れてしまうときがあるけど、自分のルールを守ることに決めたんだと言っていた。

筆者はジュウに対して不真面目さと真面目さが混じり合っているバンドだなという印象を持っていたのだが、このMCは個人的にかなり腑に落ちた。どのルール視点で見るかで、不真面目に映ったり、真面目に映ったりするのだろうと思う。危なっかしいところもあるが、おそらく意味もなく人を不安にさせるようなバンドではない。そこには何かしらの筋がある。そういうところも汲み取りながら、追えたらいいなと思った。

9曲目は霧のかかる釧路。この曲は釧路で絶対に聴きたいと思っていたので嬉しかった。10曲目は青少年。曲それぞれの個性はもちろんあるけれど、青少年は特に他の曲とは毛色が違う気がする。なんかこう、アガるというよりかは、胸が詰まって泣きそうになる感覚

筆者としては、昨日からの北海道遠征の〆のような気持ちで見ていたライブでもあったので、この数日間、幸せだったなと思って余計にグッときた。最後の「今日だけ生きてれば 叶うかもしれない そう思っていようぜ」という歌詞を、北海道で過ごした数日間の思い出と、この日の景色と一緒にずっと胸に抱えていたいと思った。

これまで静かに聴いていた隣の人が、この曲で初めて拳をあげたのが視界に入った。ボイガルのファンにもきっと何かが伝わったのだろうと思うと、嬉しくてたまらなかった。

「北海道出身のメンバーだけど、出会ったのは東京。俺たちを出会わせてくれた東京に。」と言って、11曲目は火日東京。続く12曲目はTokyo night klaxon。彼らは北海道出身のバンドだが、東京と名の付く2曲で終わらせたのは、何らかの意思の表れなのだろうか。また東京で彼らのライブを見るのが楽しみだ。

□4.まとめ

ここまで読んでいただきありがとうございました。ジュウはとにかくかっこいい曲を聴かせてくれるバンドとして捉えていたのですが、今回のライブを見ながら、なんだか泣きそうになる場面が何度かあって、このバンドはかっこいいだけじゃないよなと思い直しました。なんというか、気づいたらふと心に寄り添われている瞬間がある音楽。

心に寄り添うための音楽というかんじではなくて、かっこいい音楽を追求するぜというスタンスを感じるのですが、気づいたら寄り添われているというか。こういうところに彼らの心根の優しさや、悩みながらもがく真面目さが出ているのかな。

ジュウの魅力をさらに知れた気がしたライブでした。釧路でまたジュウがライブするときには、絶対見に行った方が良い。太鼓判押しておきます。
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